川崎 成甫 (かわさき せいほ) 生没年未詳
野馬沈金印籠
(やばちんきんいんろう)
川崎成甫作
製作年代 : 江戸時代中期
宝暦頃(1851〜1867)
法量 :
縦89mm×横72mm×高24mm
鑑賞 :
珍しい沈金による印籠です。躍動感あふれる野馬を緻密に描いています。
蓋甲に備前国岡山藩主池田家の輪蝶紋が表され、底部に極めて小さな作銘があるため、
池田家の特注品と考えられます。
瑪瑙緒締と黒檀の根付が取合されています。
意匠 :
印籠の両面に野馬18頭ずつと芝を沈金で表しています。
蓋甲には細かい唐草文と備前国岡山藩主池田家の輪蝶紋が表されています。
底部にはこの工人独特の唐草文が表されています。
形状 :
常形、紐通付3段の印籠です。天地はゆるく甲を盛っています。
技法 :
黒蝋色塗地に沈金で表しています。段内部は朱漆塗で釦は金地にしています。
作銘 :
底部の下、左下に1文字1mmほどの小さな字で「成甫」と沈金銘があります。
伝来 :
ドイツ国内に伝来し、1980年からエドワード・ランガム氏のコレクションとなりました(蔵品番号1470)。ボナムス社4回目のランガムコレクションの売立で出ました。
今回初公開です。
展観履歴 :
2019 東京富士美術館「サムライ・ダンディズム」展
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