永田 習水 (ながた しゅうすい) 生没年未詳
富士蒔絵棗 (ふじまきえなつめ)
永田習水作
法量 :
直径71mm×高68mm
製作年代 :
明治時代初期
鑑賞 :
幕末の蒔絵師、永田習水による棗です。
蓋甲にだけ富士山を描いた珍しい意匠で、在銘・共箱になっています。
意匠 :
雪をかぶった富士山をほぼ中央に左右対称に配した
珍しい意匠です。
富士山の裾は肩で、図様を終わらせています。
形状 :
中棗です。
技法 :
欅の挽物で、黒蝋色塗地に高蒔絵です。
雪をかぶった部分は錫粉で、その下方は銀粉、さらにその下方は金・銀の丸粉に梨子地粉を蒔いて研ぎ出しています。
棗の内側も黒蝋色塗で、合口部の釦は金粉溜地で、立ち上がり上の釦は錫粉溜地です。
作銘 :
糸底左上に先が丸い錐で「習水(花押)」と薄く銘書していますが、浅く、
また彫銘ではないので、
隠銘のように、よく見ないと見えません。
外箱 :
桟蓋造の桐製外箱には蓋表に「不二絵/中棗」、
底裏に「習水」の墨書と「習水」の白文方形印があります。
伝来 :
国内に伝来し、2003年に発見されました。
展観履歴 :
2019 MIHO MUSEUM「謎の蒔絵師 永田友治」展
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