守川 嘉良斎 (もりかわ かりょうさい)
唐松孔雀蒔絵印籠
(からまつくじゃくまきえいんろう)
守川嘉良斎作
製作年代 : 江戸時代中期
寛政(1790)頃
法量 :
縦83mm×横50mm×厚22mm
鑑賞 :
山田常嘉の一門と考えられる嘉良斎の印籠で、作銘に苗字が添えられた数少ない貴重な資料でもあります。
唐松に雌雄の孔雀を高蒔絵で緻密に表した豪華な印籠で、この工人による最高傑作です。
緒締には孔雀石、根付は金無垢板に牡丹を高彫象嵌した豪勢な鏡蓋根付が取り合わされています。
意匠 :
狩野派風の下絵により、唐松の幹を挟んで表裏に雌雄の孔雀が呼応する意匠としています。
形状 :
常形・縦長4段で、隠紐通のやや小ぶりな印籠です。
技法 :
・金平目粉を淡く蒔いた地に研出蒔絵で霞を表し、焼金粉・青金粉・赤銅粉の
高蒔絵で唐松に孔雀を表しています。
・雄の孔雀の羽根には青貝があしらわれ、実に華やかです。
・段内部は金梨子地です。
作銘 :
底部左下に、小さな字で「守川嘉良斎」と蒔絵銘があり、朱漆で「瞎」の壺形印があります。
伝来 :
2019年9月、関西においてうぶで十数点まとめて発見された印籠群の1つです。
展観履歴 :
2021 国立能楽堂資料展示室
「日本人と自然 能楽と日本美術」
2023 MIHO MUSEUM「蒔絵百花繚乱」展
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