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     紐の種類:
     最初に述べたように、現在「印籠紐」として市販されているものは、ゆるく組んだものですが、 その組み方にも2種類あります。どちらも4本の糸の束を組んだものですが、 その1本ずつを見た場合に、細い縒り糸を束ねて組んだものと、 絹の繊維をゆるく縒って束ねたものを1本として組んだものとがあります。 どちらも昔からあります。

     私の個人的な好みとしては、後者の方が絹特有の美しい光沢が生かされていて、 蒔絵や漆の光沢と調和がとれて良いと思います。 京都寺町六角の「伊藤組紐店」の印籠紐はこの組み方で、 太さも最近は2mmほどの細い紐も制作されており、切り売りしてくださいます。

     また江戸時代から使われている、細い「江戸打」や「丸唐組」も良いでしょう。 特に小印籠ではこれらの細い紐でなければ通らないこともあります。

    写真上から
    ・市販の印籠紐(縒り糸の4つ組で光沢が少ない)細
    ・市販の印籠紐(ゆるく縒った糸の4つ組)太
    ・市販の印籠紐(ゆるく縒った糸の4つ組)細
    ・丸唐組(幕末期)中細
    ・丸唐組(大正期)細
    ・江戸打(幕末期・将軍家所用)極細
    2005年11月22日UP