印籠紐 (いんろうひも)

 今日、印籠紐といえば、太さ3mm程度のゆるく柔らかく組んだ組紐を意味します。 しかし江戸時代にはこれらの他に、「丸唐組」や「江戸打」と呼ばれる 太さ1〜2mmの固く組みながらも柔らかい組紐もしばしば使われていました。 江戸時代の紐は、色も当時の染めで洒落ていますし、オリジナルの姿を知る上で貴重です。 しかし絹物は保存が悪いと200年も経つと、 どうしても脆弱で切れやすくなっています。 丈夫であればそのまま使うことが一番ですが、 繊維が切れ始めていたら危険です。 鑑賞の時に万一ぷつりと切れて印籠を落下させては、 貴重な印籠が破損する可能性もあります。 弱った古い紐は、外して印籠の最下段に入れておくか、 別に大事に保管するとして、 思い切って新しい紐を付けてコーディネートしてみましょう。 古い紐を外す時は、紐を切らずに丁寧に解きましょう (切ってしまうと再現する時に長さが足りなくなります)。 古い紐は印籠が生きてきた証です。大切にしましょう。

※右図
印籠 狩野典信下絵・飯塚桃葉(初代)作
    雲龍蒔絵印籠
緒締 瑪瑙緒締
根付 是楽作 風神鏡蓋根付
2005年11月22日UP